自己破産により制限されるもの

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これまでご説明してきたように、自己破産申し立て後、免責許可決定がなされると債権者一覧に記載された全ての債務において支払いが免責となりますが、自己破産申し立てにより制限される事項も幾つかあります。

 

まず資格制限というものがあり、自己破産の決定により免責が確定されるまでの期間に一定の資格が停止されます。つまり該当する資格により業務についている場合には仕事ができなくなってしまいます。ただし、資格をはく奪されてしまい、その資格が使えなくなってしまうということではありません。破産手続きの開始から免責許可の決定が下されるまでの期間であり、おおよそ3か月~4か月程度です。

 

資格制限されるものには二種類あります。強制的に資格制限されるのは、弁護士、司法書士、公認会計士、税理士、宅建建物取引主任者、警備員、などです。制限の期間はこの資格の取得もできません。上記とは違い、生命保険外交員等は雇用関係のある保険会社により外交員の登録を取り消す手続きが行われた時に資格が停止されます。登録が抹消されず、資格が停止にならなければ仕事を継続できます。しかし、この期間に資格を取ることはできません。このように、免責許可の決定が確定されるまでの間は制限された資格を必要とする仕事ができなくなります。よって、勤務先に自己破産を正直に報告したうえで免責が決定されるまでの期間に休職するか、または資格を使わなくて済む仕事へ配置してもらうことが必要となります。勤務先へ休職や配置転換の依頼をせずにそのまま資格を使って働き続けた場合は違法行為になりますので注意が必要です。

 

また、逃亡したり財産を移したり隠したりすることを防ぐために破産手続きが終了するまでは、住所の移転や長期の旅行が制限されます。ただし、裁判所に許可を取ればこの限りではありません。特に破産管財事件(管財手続き)の場合は、「自己破産の種類について」でも紹介したように郵送物も破産管財人に転送され、自己の財産の管理処分権を失いますので、必ず弁護士の判断や指示を仰ぐようにする必要があります。

 

ただし、破産手続き開始後は、債権者が銀行などの金融機関であっても振り込まれる給与を差し押さえたりすることはできなくなります。これは、破産者が破産手続開始後に取得した財産は自由財産と呼ばれ、債権者が差し押さえることができず、破産管財人の意思に関係なく破産者が自由に管理、処分することができる財産のことです。その他自由財産には、99万円以下の現金(預貯金は20万円まで)のほか、動産なども該当します。当然、マイホームなど資産価値のある不動産などを所有し続けることはできませんが、一定の生活を送るための資産までは制限されません。

 

なお、債務者の将来もらえるであろう退職金に関して、その見込み額の4分の1~8分の1を債権者への配当にするという場合もあります。生命保険はもちろん債権者の配当に回されることになり、20万円以上の保険は解約され、債権者へ等しく分配される場合があります。これらは概ね管財手続きの場合(換価するほどの財産がない場合は同時廃止)ですが、20万円を越える預貯金や保険、株券やゴルフ会員権、自動車などは概ね処分されて債権者に配当されます。もちろん、免責許可決定後は信用情報機関のブラックリストに掲載となるため、登録から約10年程度はローンはもちろん、新たな借入れやクレジットカードの作成などもできなくなるという制限があります。

 

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